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修士論文:「ゲスト・ホスト液晶への光熱回折格子形成と解析」

論 文 概 要

ゲスト・ホスト液晶は、大きな光学異方性を持つホスト液晶に様々な光機能性を持ったゲスト
分子を組み合せることが可能なため、 光エレクトロニクス分野への応用が期待されている。
ゲスト・ホスト液晶中での光熱効果による非線型光学効果は、低いビームパワーで 大きな屈
折率変化を起こすことが可能なことにより、実時間ホログラムの記録、焦点可変レンズ等と
いった応用が考えられる。 これらの応用を考えていく上でも、ゲスト・ホスト液晶中での光熱
効果による非線型光学効果の詳細な同定は重要である。 

 我々は、有限要素法による熱伝導解析を用いた解析によって光熱効果による非線型光学
効果の詳細な同定を行うために、ホスト液晶として ネマチック液晶5CB、光熱効果のみが起
きる二色性色素である Disperse Blue 14 をゲスト分子として使用したゲスト・ホスト液晶セル
干渉光を照射することにより光熱効果による回折格子を作成し、その回折格子の回折効
率を実験により求めた。次に、熱伝導解析の側面から 光熱効果による非線型光学効果を
説明するために、サンプル中での熱伝導方程式を有限要素法を用いてとくことによって液晶
層内部の 屈折率分布を求め、フランホーファー回折理論を用いることにより回折効率を算
出し、実験によってもとまった回折効率と比較した。 これら実験と熱伝導解析により求まった
二つの結果は、非常に良く一致しており、ゲスト・ホスト液晶セル内部に形成される光熱回折
格子は、 有限要素法による熱伝導解析によって定量的に説明することができた。

 また、光熱効果のみが起こる色素 Disperse Blue 14 をドープした光吸収高分子層を持つ
液晶セルにレーザ光を照射することにより起こる 自己位相変調効果によって変換された出
射ビームの強度分布を測定し、キルヒホッフ回折積分を用いて解析することにより、高次の
非線型光学効果を確認した。光熱効果による非線型光学効果により起こる屈折率変化を
dn=n2I+n4I2+n6I3
とすることで実験値と解析値とはよい一致を得た。 また、サンプル内部で
の熱伝導方程式を有限要素法で解くことにより得られた屈折率分布は、実際の測定で得た
実験値と良い一致を得た。 これにより、光吸収高分子層を持つ液晶セル中での光熱効果に
よる非線型光学効果も熱伝導解析により説明することができた。

(査読論文)

1. Orientational photorefractive effects observed in poly(vinyl alcohol)/liquid crystal composites.
H. Ono, I. Saito and N. Kawatsuki
Appl. Phys. B-Lasers and Optics (Rapid) 66 (1998) 527-529.
2. Photorefractive Bragg diffraction in high- and low-molar-mass liquid crystal mixture.
H. Ono, I. Saito and N. Kawatsuki
Appl. Phys. Lett. 72 (1998) 1942-1944.
3. Orientational photorefractive properties in polymer dispersed liquid crystals with different polymer matrix.
H. Ono, I. Saito and N. Kawatsuki
Proceedings of SPIE 43rd Annual Meeting at San Diego, 3475 (1998) 122-133.
4. Characterization of self-phase modulation in liquid crystals on dye-doped polymer films.
H. Ono and I. Saito
Jpn. J. Appl. Phys. 38 (1999) 5971-5976.
5. Theoretical and experimental analysis on photothermal gratings in guest-host liquid crystal film.
H. Ono and I. Saito
J. Appl. Phys. 89 (2001) 10-14.

(口頭発表)

1. 1998年7月 SPIE Annual meeting at San Diego (USA)
Orientational photorefractive properties in polymer dispersed liquid crystals with different polymer matrix.
H. Ono, I. Saito and N. Kawatsuki
2. 1998年10月 液晶学会討論会予稿集 236-237
液晶・高分子複合体の分子再配列型フォトリフラクティブ効果
小野浩司、斎藤勲、川月喜弘
3. 1998年10月 液晶学会討論会予稿集 484-485
高分子液晶・低分子液晶混合系の分子再配列型フォトリフラクティブ効果
小野浩司、斎藤勲、川月喜弘
4. 1998年12月 応用物理学会信越支部講演会予稿集 134
光吸収層を持つ液晶セル中の自己位相変調効果
斎藤勲、原戸芳朗、小野浩司
5. 1999年6月 電子情報通信学会信学技報 OPE99-24, 99 (1999) 67-72
光吸収高分子層を有する液晶セルの光熱効果の解析
斎藤勲、小野浩司
6. 1999年9月 液晶学会討論会予稿集 274-275
光吸収高分子層を有する液晶セルの自己位相変調効果の解析
斎藤勲、小野浩司
7. 2000年3月 第47回応用物理学関係連合講演会予稿集(第3分冊)1251
ゲスト・ホスト液晶への光熱回折格子形成と解析
齋藤勲、小野浩司

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