RISU_TOP.GIF - 4,722BYTES  小渡望

修士論文:「アゾ色素ドープ高分子の光誘起複屈折効果と回折格子形成」

論 文 概 要

アゾ色素を含む高分子フィルムは、直線偏光した光を照射するとアゾ色素分子が偏光方向
に対し垂直に配向し 屈折率異方性を示すことが知られている。
低パワーの光照射で異方性が生じ、かつ材料の作成が簡単なため、 近年これらの高分子
フィルムは光エレクトロニクスの分野で活発に研究が行われている。
また、このフィルムの偏光照射による異方性を利用した偏光ホログラフィーも実証されてい
る。
その後、様々な材料を使用した偏光ホログラムが多数報告されている。
しかし我々が調べた限りではこれまでの研究で、 高分子マトリクス物性(ガラス転移温度
(Tg)、重量平均分子量(Mw))が偏光誘起複屈折に与える影響は精密に解析されていない。
 また、フィルム中に分布する屈折率回折格子を考慮したホログラフィーの解析は行われて
いない。
そこで本研究では、高分子のマトリクス物性が偏光誘起複屈折に与える影響を精密な測定
により定量的に評価した。
その結果、偏光誘起複屈折の応答カーブはこれまでに報告されている2つの時定数だけで
なく、3つの時定数を含む事を新たに確認した。 そこでこれら3つの時定数に対し高分子物
性を考慮したモデルを考えた。
モデルを考慮した式により解析した結果、 これらの時定数は高分子マトリクスの物性に強く
依存していた。
また、フィルム中に分布する屈折率格子を定量的に解析しフラウンホファー回折理論により
回折効率を計算した。
しかし、計算結果と測定結果は一致しなかった。
そこで光学系の振動が屈折率回折格子に与える影響を考慮し計算した結果、 計算結果と
測定結果が非常によく一致した。
光学系の振動を考慮することで回折効率を理論的に解析できることが示された。

(査読論文)

1. Simultaneous measurements of complex birefringence in azo dye doped polymer films induced by linearly polarized light.H. Ono and N. Kowatari
J. Phys. D: Applied Physics, 31 (1998) 1511-1515.
2. Study on dynamics of laser-induced birefringence in azo dye doped polymer films.
H. Ono, N. Kowatari and N. Kawatsuki
J. Opt. Mater. 15 (2000) 33-39.
3. Holographic grating generation in thick polymer films containing with azo dye molecules.
H. Ono, N. Kowatari and N. Kawatsuki
J. Opt. Mater. 17 (2001) 387-394.

(口頭発表)

1. 1998年12月 応用物理学会信越支部講演会予稿集 134
アゾ色素ドープ高分子フィルムの偏光誘起複屈折形成過程に及ぼすガラス転移温度の影響
小渡望、小野浩司
2. 1999年3月 第46回応用物理学関係連合講演会予稿集(第3分冊)1304
アゾ色素ドープ高分子フィルムの偏光誘起複屈折形成ダイナミクス
小渡望、小野浩司
3. 1999年6月 電子情報通信学会信学技報 OPE99-23, 99 (1999) 61-66
色素ドープ高分子への偏光誘起複屈折形成と3次元制御に関する検討
小渡望、小野浩司
4. 1999年10月 電子情報通信学会信越支部大会予稿集 43-44
アゾ色素ドープ高分子フィルム中に誘起された複屈折の3次元制御に関する解析
小渡望、小野浩司
5. 2000年3月 第47回応用物理学関係連合講演会予稿集(第3分冊)1251
偏光誘起複屈折効果を利用したホログラムの解析
小渡望、小野浩司

無料 アクセス解析インプラント