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修士論文「ナノ微粒子自己組織化による回折格子素子の作製と光学 特性」

論文概要

近年の情報化社会の発展に伴い、大容量のデータをより高速に伝送するために、従来の電気信号に 変わって光信号が注目されている。それと同時に、光技術は、その基礎・応用の両面にわたって重要な役割を果たしており、様々な機能を有する新しい光学素子 の開発が日進月歩で進められている。
光学素子には様々な種類があるが、代表的なものとして回折格子が挙げられる。回折格子は、光の分岐や伝播方向の変換、集光、分散など様々な機能を有してい ることから、光記録、光情報伝送などの光エレクトロニクスの分野において幅広く用いられており、今後益々の発展が期待されている。
また、近年では新しい光学材料として、フォトニック結晶(PC: photonic crystal)というものが注目されている。フォトニック結晶の最大の特徴は、ブリルアンゾーン内のあらゆる方向にわたって電磁波のモードが存在できな いフォトニックバンドギャップ(PBG: photonic band gap)を有することにある。これにより、従来の光共振器などの空間を金属で囲むといった空間制御とは全く異なる強力な光制御が可能となり、光導波路をは じめ様々な分野での応用が期待されている。
 そこで、本研究では高分子ナノ微粒子の自己組織化によって形成されるフォトニック構造を、波長依存型回折格子素子に応用する事を目的とし、粒子型の異な るナノ微粒子からなる帯状積層構造の作成を試みた。
 その結果、第一に、2種類の粒子径のポリスチレン微小球で構成されたオパール構造を幅100[μm]以下の帯状に交互に積層した帯状積層オパール構造に おいて、それらが回折効率波長依存性を有する回折格子として作用することが確認できた。また、積層構造とする際に各帯で位相差が発生すると仮定したモデル をもとに計算を行い、測定値とよく似た傾向を示すことが確認できた。
第二に、同じ大きさの微小球で構成された帯の中に色合いの異なる領域が含まれている時、その割合が大きくなるほど回折効率の左右非対称性が大きくなること が分かった。尚、今後の課題として、帯状積層オパール構造の作製技術を進歩させ、そのような色合いの異なる領域をうまく制御できるようになれば、所望の非 対称性を有する回折格子の実現が可能になると考えられる。
最後に、従来の分光測定技術と透過型光学顕微鏡による観測を組み合わせた顕微分光法による光学系を構築した。これより、微小領域を確認しながらの分光測定 が可能となり、クラックを多く含む領域の方が透過スペクトルのベースラインが下がることなどが分かった。

(査 読論文)

1. Two-dimensional patterning of colloidal crystals by means of lateral auto-cloning in edge-patterned cells, A. Emoto, T. Kamei, T. Shioda, N. Kawatsuki and H. Ono, J. Appl. Phys. 105 (2009) 123506.

(口頭発表)

1.

2009年9月 第70回応用物理学会学術講演会
帯状オパール構造による回折格子の特性
亀井理祥、江本顕雄、塩田達俊、川月喜弘、

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