RISU_TOP.GIF - 4,722BYTES  伊藤正樹

修士論文:「色素ドープ液晶を用いたファブリペロデバイスの光機能性」

論 文 概 要

光−光制御素子は、すべての情報のやりとりを光で行う光コンピュータの実現に不可欠なものである。光−光制御を実現する材料として液晶材料が知られている。中でもゲスト・ホスト液晶は光機能性を持つゲスト分子との組み合わせにより、光熱効果、光異性化反応など様々な非線形光学効果を実現できる。ファブリペロデバイスは透過率が媒質の屈折率によって制御でき、光照射による屈折率変化を誘起することで、偏光素子を用いない光−光制御素子が実現できる可能性がある。本研究では、光熱効果を発現するゲスト・ホスト液晶を用いたファブリペロ構造を持つ液晶デバイスを作成し、その光−光制御素子としての実証と、特性解析を行った。

  はじめに、Au半透膜を反射鏡としたファブリペロ型液晶セルを作成し、その透過特性を調査した。液晶には、ホスト液晶E7にゲスト分子としてDispers Red9を混合したものを使用した。実験結果として、ポンプ光強度が15mW時に40%の透過率変化を得、このデバイスが光−光スイッチとして動作することを実証した。また、ポンプ光強度による特性を調査し、透過率の変化がファブリペロデバイスの屈折率−透過率特性に応じたものであることを確認した。

  また、透過率変化量から素子内部で生じている屈折率変化量を算出し、有限要素法による熱伝導解析の結果と比較を行った。まず定常状態における屈折率変化量の比較であるが、実験値と解析値は非常によい一致を見せた。また屈折率変化の時間応答に関しては、ビーム照射によって与えられる発熱量の時間変化を考慮することで、実験結果をよく説明することができた。この発熱量の時間変化は、ゲスト・ホスト液晶の光熱効果による屈折率の逐次変化により、液晶との界面で反射率・透過率がそれぞれ変化することに起因する。さらにポンプ光遮断後の屈折率変化とそのポンプ光照射時間依存性を調べ、屈折率変化の時定数はポンプ光照射時間の減少に伴って小さくなることが分かった。また、この結果は熱伝導解析による結果と同様の傾向であった。

(査読論文)

1. All-optical switching in a dye-doped liquid crystal Fabry-Perot device.
H. Ono and M. Itoh
Jpn. J. Appl. Phys. 40 (2001) No.3A pp.L206 - L208
2. Characteristics of all-optical switching properties in a guest-host liquid-crystal Fabry-Perot device.
H. Ono and M. Ito
Opt. Commun. 223(2003) 399-409.

(口頭発表)

1. 2000年10月 電子情報通信学会信越支部大会予稿集
液晶ファブリペロデバイスを用いた光光スイッチの実証
伊藤正樹、小野浩司
2. 2001年3月 第48回応用物理学関係連合講演会予稿集(第3分冊)
液晶ファブリペロデバイスによる光光スイッチの試作と解析
伊藤正樹、菊原純一、小野浩司
3. 2001年9月 液晶学会討論会予稿集
ゲストホスト液晶を用いたファブリペロデバイスの光機能性
伊藤正樹、小野浩司
4. 2002年3月 第49回応用物理学関係連合講演会予稿集(第3分冊)
液晶ファブリペロデバイスの光スイッチ特性
伊藤正樹、小野浩司

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