RISU_TOP.GIF - 4,722BYTES  阿久津匡智

 修士論文:「レーザービーム描画法を用いた二次元液晶配向分布の形成と評価」

論 文 概 要

光回折格子形成に用いた光架橋性高分子液晶は、シンナモイルオキシビフェニル基を側鎖に持つ側鎖型の液晶高分子材料であり、直線偏光状態の紫外光露光による軸選択的光化学反応とその後の液晶温度での熱処理によって分子再配向が誘起される。紫外光露光による光化学反応では、照射偏光と平行に配向していた側鎖分子末端のシンナモイル基が、E-Z光異性化反応もしくは光二量化反応を起こし、光異性化反応ではそれに伴う分子再配向によって照射偏光と垂直方向へ配向規制力が、光二量化反応では生成された架橋分子によって照射偏光と平行方向へ配向規制力生じる。この二つの異なる光化学反応の発生確率の違いにより、液晶温度での熱処理によって露光量の低い領域では照射偏光と垂直方向へ、露光量の十分に高い領域では照射偏光と平行方向へ分子再配向が誘起されることが分かった。露光量の違いによって生じる分子配向方向の異なる二種類の領域は作製された光回折格子においても確認され、観測された回折光の特性評価によりそれぞれの領域において誘起された屈折率異方性の最大値が異なることが分かった。
本研究では、描画ビームをサンプル上で2次元的に操作することで1次元、2次元での光回折格子を作製することに成功し、作製された格子の回折特性を解析することで格子内部の屈折率異方性分布を評価した。格子内部の屈折率異方性分布は、サンプルの露光量分布によって計算されるorder parameter分布によって見積もられ、作製された光回折格子の回折特性は格子内部の屈折率異方性分布を考慮したJones法とFraunhofer回折理論を用いることで説明することができた。

(査読論文)

1.

One-beam polarization-multiplex recordings in photo-cross-linkable polymer liquid crystals, H. Ono, T. Akutsu, N. Kawatsuki, K. Kato, T. Shiraku and T. Tachibana, Jpn. J. Appl. Phys. 45 (2006) L1010-L1012.

(口頭発表)

1. 2005年10月 電子情報通信学会信越支部大会講演論文集 247-248
レーザービーム描画法による2次元液晶分子配向パターンの形成
阿久津匡智、小野浩司、川月喜弘
2. 2006年3月 第53回応用物理学関係連合講演会予稿集 第3分冊 1343
偏光レーザービーム描画法による光架橋性高分子液晶への偏光回折格子形成
阿久津匡智、小野浩司、川月喜弘
3.

2006年8月 第67回応用物理学会学術講演会予稿集 第3分冊 894
光架橋性高分子液晶への偏光多重記録特性
阿久津匡智、小野浩司、川月喜弘、加藤邦久、白句智子

4.

2006年8月 第67回応用物理学会学術講演会予稿集 第3分冊 1157
405nmLDを用いた高分子フィルムへの偏光多値記録
川月喜弘、加藤邦久、白句智子、阿久津匡智、小野浩司

5.

2006年9月 The symposium of 21th century COE program Nagaoka University of Technology (30th anniversary of Nagaoka University of Technology)
 One-dimensional anisotropic gratings formed by laser beam drawing
T. Akutsu, H. Ono and N. Kawatuski

6. 2006年11月 Optics Photonics Japan 2006 講演予稿集 396-397
光架橋性高分子液晶を用いたレーザービーム描画法による光学デバイス作成
阿久津匡智、小野浩司、川月喜弘
7. 2007年3月 第54回応用物理学関係連合講演会予稿集 第3分冊 1047
偏光レーザービーム描画法による偏光回折格子形成
阿久津匡智、小野浩司、川月喜弘

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