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修士論文:「色素ドープコレステリック液晶の光熱効果によるフォトニックバンド構造制御」

論 文 概 要

  フォトニック結晶は屈折率が光の波長程度の周期で変化する構造体であり、その中の光の伝わりかたはその構造によって制御できる。自然においてはシャンポン 玉やクジャクの羽等にこのフォトニックが見ることができる。光エレクトロニクス分野において光記憶や光通信に使われる高機能化的な光学素子として応用可能 であり、テレビディスプレイ業界においては、フォトニック構造を持つコレステリック液晶が、将来的に幅広く用いられると考えられる。
コレステリック液晶は様々な特徴を持っている。その中で最も重要なものは色の可変性(制御性)である。また、液晶の相であることから、流体のような流動性 と結晶のような分子配列の規則性を有している。そのため分子配列の周期構造は、流動性により、外部刺激によって容易に変化させることができる。すなわち、 温度、光、不純物の濃度などによってコレステリック構造が変化するため、その光学特性も変化する。したがって波長選択的に光をスイッチすることが将来的に 期待されている。
本研究では、コレステリック液晶に色素を混合したサンプルを作製し、レーザーの照射で光熱効果によりフォトニック構造を変化させ、光バンドギャップ特性の 制御を目指した。色素が高吸収度を有することから、コレステリック液晶に混合した場合、レーザーエネルギーの吸収量が多くなる。光照射により生じるコレス テリック液晶内の温度分布が、コレステリック液晶の構造を変化させ、周期と屈折率も変化させる。本研究では、この効果(光熱効果)に基づいて光バンド ギャップを光照射により制御することを目指した。レーザー照射による温度分布は有限要素法により計算した。この温度分に基づき、屈折率と配向の分布を求 め、Maxwell方程式から導出された4×4 Matrix法によりその光学特性を計算した。
色素ドープコレステリック液晶の光バンドギャップについて、温度と濃度とレーザー等の外部の影響を考察した。結果として、最も影響を与えるものは濃度で あった。濃度が約6%少量変更した場合においても、光スペクトルの中心波長が大きく変化した。次に、温度も強く影響を与えることを観察した。臨界温度にお ける光バンドギャップは室温における光バンドギャップと比べ、長波長側にシフトしながら、そして幅も狭くなった。光熱効果の影響が少なかった。「強度が 15mWのレーザー光を照射した場合、ストップバンドは15 nm長波長側にシフトした。7mW以上の高強度を有するレーザーのみで光熱の現象を観察した。しかし光熱効果より光異性化効果による影響のほうが強くなる ことを発見した。これは将来の研究に期待されている。

(査読論文)

1.

(口頭発表)

1.
電子情報通信学会信越支部大会(2013年10月5日、長岡技術科学大学)
Controlling of bandwidth of dye-doped choresteric liquid crystals
Luu Quoc Vu, Kohei Noda, Tomoyuki Sasaki, Nobuhiro kawatusiki, and Hiroshi Ono

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